あらすじ
小鳥遊千和（たかなし・ちわ）は、一見ごくフツーのOL。間宮商事という会社の総務課で働く22歳です。
仕事は真面目で仲良しの同僚達とも和気あいあい、楽しい毎日を送っています、というのは、建前で…。
実は父親の借金返済のために夜な夜なホステスとしても働いている毎日。父親に愛想を尽かした母親は家を出ていってしまいます。
８ケタにも登る借金はそう簡単に消えるものでもなく、彼氏いない歴22年の現在、オトコには夢も希望も持てずにいます。同僚からは枯れたオンナ呼ばわりまでされる始末…。
そんな時、仕事先のクラブにイケメン御曹司が登場します。
「あんたにはこんな仕事似合わない」と初対面の千和に向かって言い放ちます。
「わたしの何を知ってるのよ！どうせ、あんたには守るものなんてないんでしょ。だからそんな事が言えるんだわ！わたしに譲れないものがあるのよ！」的なタンカを切り、なんと水をぶっかけてしまいます。
このキョーレツな出会いの相手が、後の千和の結婚相手の間宮北斗（28歳）。出会いから一夜明け、千和は昨夜の客が自分の勤め先の社長だと知ります。どひゃ〜！！！
社長室に呼び出され、千和は顔面蒼白。「結局、あれからクラブはクビになったわ。で、間宮商事もクビにするってワケね？」と開き直ります。
と、そんな怒り沸騰の千和を涙ながらに抱きしめる老人が…。なんと間宮商事の会長だと言う。またもや「どひゃ〜！！！」と目を白黒させる千和。全く状況が飲み込めていない千和に会長が「あなたのおばあさまには生前お世話になりましてね。この間宮商事が設立できたのも元華族であられた、おばあさまの資金援助のお蔭なんですよ」と涙ながらに告げられ、唖然…。
しいては「そんな高貴な血を引くお方が夜の街に出て働いているなんて…。借金は代わりに返済させてくださいな」と、なんとも嬉しい申し出をしてくれます。しかし、そこには条件が一つ…。
「ここにいる、孫の北斗と結婚してくれませんか？」
「ええーーー！！」
と、かなり強引な間宮一族に引きずられるまま、終わりのない借金地獄から足を洗うべく、ほとんどヤケクソ状態で千和は結婚に踏み切ります。ちなみに千和の仲良しの同僚２人組は、ともに熱烈な間宮北斗ファン。その他にも女子社員の中には北斗ファンが多く、２人のこの結婚はトップシークレット状態に…。
主人公・小鳥遊千和（たかなし・ちわ）
22歳のOL。間宮商事の総務課勤務。父の借金返済のため、夜はホステスに（源氏名はチワワ）。突然現れたナゾの御曹司、間宮北斗と結婚するハメに。
オトコには夢も希望も持てない千和でしたが、もちろん結婚にはフツーの女子同様、憧れがありました。ウェディングドレスを着て、着飾って、皆に祝福されて…❤
そんな淡い期待を根こそぎ奪われた千和は、結婚後、突然同居することになった北斗に対し、全く心を開く事ができずにいます（まあ、そりゃそうですよね）。相当な仮面夫婦状態が続くのですが、なぜか北斗はまんざらでもない様子。
そんなギクシャクした２人の新婚生活ですが、唯一の共通点があります。
それは『互いに譲れないものがある』という強い思い。
千和にとっての譲れない思いとは「借金まみれになっても、おばあちゃんが愛した庭だけは手放せない」という強い気持ちで、だからこそ、必死になって借金を返済しようとします。
また北斗にとっての譲れない思いとは、後半から徐々に明らかになっていきますが「母の死の真相を確かめたい」というもの。
実はこのイケメン御曹司・間宮北斗が生まれた背景には、複雑な人間関係が絡んでいるのです。
間宮北斗
間宮商事の若き社長。28歳。そのイケメンなルックスがテレビや雑誌をにぎわせている独身貴族（なので千和との結婚は超極秘扱い）。「実は間宮家の血を引いていないのでは」と、一族から疑いの目を向けられている。そんな逆境の中、社長にまで上り詰めた人物。愛車はランボルギーニとフェラーリ。高級マンションの、超汚部屋に住んでいる。
さて、何かと世間の注目を集めているヤリ手の若き社長、間宮北斗ですが、その正体は目的のためなら手段は選ばない超どSキャラ。間宮商事の社長の座を射止めるべく、強引な手腕を発揮してきました。ちなみに北斗の父（征司）は５人兄弟のため親戚や従兄弟も多く、皆がファミリービジネスとして間宮コーポレーションを支えているのですが、その中でも北斗は本筋ではありませんでした。
征司は本妻との間に子供ができなかったのですが、昔の彼女（三浦容子）が子供を出産していたことを知ります。容子は既に事故死していたため、征司はその子を引き取り、我が子だと確信し、育てます。
そんな養子の北斗に対し、風当たりが強いのは当然と言えば当然です。親族からは「本当に間宮の血を引いているのか」と疑いの目を向けられる日々。さらには母の死に疑問を持っていた北斗は、「父親（征司）が母を殺したんじゃないか」と秘かに疑っています。その復讐心もあり、間宮一族の全てを手中に入れるべく、目的のためなら手段を選ばないという暴挙に…。結果として一族の中に更なる敵を増やすという、そんな背景を背負っています。
契約結婚が、いつしか本物の愛に発展❤
最初は紙切れ一枚で始まった契約結婚ですが、幾度となく迫り来る危機や間宮一族との軋轢の中で、いつしか２人の愛は本物へと発展していきます。
物語の後半で北斗は間宮の血を受け継いでいないことが判明します。そのとき、既に何度か間宮一族に命を狙われ、身の危険を感じていた千和に、これ以上の負担はかけられないと離婚を迫ります。千和の身を案じるが故の離婚ですが、納得できない千和…。そんな千和を一人残し、どこかへ消えてしまった北斗…。
半年が経過し、未だ行方知れずの北斗のために千和は単身、間宮一族の会議に乗り込みます。
一族を前にし、北斗がどれだけ不自由な思いをしてきたか、どれだけ辛い逆境の中を生き抜いてきたかを、タンカを切りながらも切々と語る千和。と、そこへ半年ぶりの北斗が登場。
「もう一度、オレと結婚してくれ」
この言葉をきっかけに、紆余曲折あった２人の、本当の結婚生活が再出発します❤
最初は間宮商事の社長でイケイケドンドンだった北斗ですが、一族の軋轢の中、社長の座を追われ、それでも必死で千和を守ろうとした結果、大人のオトコへと成長していく過程は、実にうまく描かれていると思います。また当初22歳、男嫌いの処女だった千和もまた、北斗と接していくうちに、人を愛するという感情が芽生え始めます。そんな２人の成長ぶりにも注目です。
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