あらすじ
人間と妖(あやかし)の恋物語が話題沸騰中のコミック『BLACK BIRD』、ご存じでしょうか。
100年に一度、現れるという特異体質を持つ女子高生『実沙緒』と、天狗の『匡(きょう)』。
2人が織りなす驚愕の妖怪ラブ&ミステリーコミックの登場です。
主人公、実沙緒はいわゆる霊媒体質。幼い頃から幽霊が視えるという日常が当たり前の毎日を送ってきました。
誰もいないところでずっこけたり、お化けにちょっかい出されて、逃げまくったり…。
周囲には霊媒体質の件は話しておらず、「ちょっと変わった天然な子」として通っています。
そんな実沙緒には初恋の相手がいました。名前も覚えていない隣に住んでいた男の子。
その子は「いつかきっと迎えに行くから」との言葉を残し、ある日、突然引っ越してしまいました。
月日は流れ、高校生になった今でも時折、彼の言葉がふと頭をよぎる実沙緒。
なんとなくその言葉が気になり、ひたすら初恋の人を待ち続ける日々…。
そんなある日、16歳になった実沙緒の元に、その初恋の相手が現れます。その驚愕の実体に驚く実沙緒…。
実は初恋の相手、匡(きょう)は天狗だったのです!!
「初恋の相手が妖怪だったなんて…!?」
さーて、いったいどうなることやら??実沙緒と匡の、人間VS妖怪の戦い&恋物語の幕開けです。
主人公・原田実沙緒
16歳。霊媒体質の女子高生。
100年に一度の特殊な人間『仙果の娘』という運命を背負っています。そのため、数々の妖(あやかし)に命を狙われるハメに…。
16歳になると、その身体に宿る特殊能力が開花するため、悪い妖怪達が次々とやってきて、実沙緒を傷つけようとします。なぜなら、実沙緒の持つ力は妖怪達の繁栄の源になるからです。
『妖がその血を飲めば寿命が延び、肉を喰らえば不老不死に、花嫁を迎えればその一族に繁栄をもたらす』と言われ、各妖怪一族が高校生に取り憑き、校内で実沙緒に襲いかかります。その時、実沙緒を助けに現れたのは、黒い羽を持つイケメンの天狗。
そうです!この天狗こそ、実沙緒の待ち続けた初恋の相手『鳥水匡(うすい・きょう)』でした。10年の時を経て、妖達の魔の手から実沙緒を助けようと舞い戻って来たのです。
「いつかきっと迎えに行くから」
この言葉は匡が実沙緒に告げた約束でした。自分が一族の長になって、いつか実沙緒を迎えにくる。だから、その時は自分のお嫁さんになって欲しい…。
その決意どおり、10年の間に匡は自身が所属する烏天狗一族の当主になっていました。ちなみに匡は次男なのですが、なぜ長男を差し置いて当主になれたのか、と言いますと、ここにもロングストーリーが…。
元々、一族の長となるはずだったのは匡の兄の祥という人物(妖怪?)です。ですが祥の持つ残忍さを恐れた父により、その嫡男の座を奪われ、次男の匡が当主の座に就くことに…。後に、このことを恨んだ兄が邪悪な道に走り、弟との一騎打ち戦となりますが、弟(匡)が勝利します。
さて16歳まで、霊が視えること以外、ごく平凡な日常生活を送っていた実沙緒ですが16歳を境に転機が訪れます。
例えば白蛇一族の妖怪が『道成寺希世』と名乗り、高校に現れ、実沙緒を襲います。白蛇一族は毒を扱う達人なのですが、その猛毒にやられた実沙緒を匡が助けます。
さらに狐一族の『葛葉修平』が白蛇の希世と同じように、高校生活に入り込み、実沙緒にちょっかいを出してきます。最終的に匡に殺されますが、その容姿はごく普通のイケメン男子高校生。全く妖怪には見えないのですが、このような手口で次々と実沙緒は命を狙われるハメに…。
だんだん自分の運命を自覚していく実沙緒。最初、匡が自分に好意を寄せているのは『烏一族繁栄のために、仙果の力が欲しいから』と疑っていた実沙緒は、とにかく匡を避け続けます。
「自分を繁栄の道具としてしか見ていないヤツの所へ、嫁に行くなんて冗談じゃない!」
と、そんな感じで、いくら匡が助けてくれてもなかなか心を開くことができません。それもそのはず、幼い頃の匡との記憶を、祥によって消されていたのですから(涙)。優しかった匡との数々の思い出があれば、ここまで心を閉ざすこともなかったのですが…。そんな事実を知らない匡は秘かに傷つきます。「どうして自分の事を忘れてしまっているのだろう…」と。
そもそも匡は妖怪ですし、とにかく彼を避け続けた実沙緒ですが、徐々に匡の助けなしには生きていけないことを悟り始めます。何度も彼に助けられているうちに、いつしか匡と深い恋仲に…❤
物語後半では匡の子供を身ごもりますが、「この子供が原因で自分は命を落とすかもしれない」という事を知り、悩みます。ですが最終的には生む事を決意し、颯を出産。その際、生死を彷徨いますが、匡に一時的に『預けていた』仙果の力で見事、死の淵から生還します。
鳥水匡(うすい・きょう)
主人公の実沙緒を命に変えても守ろうとする烏天狗一族の当主。20歳。美しい黒い羽を持つ。高校の数学教師。
そもそも次男ですが、兄を押さえて一族の当主となります。それが原因で後に兄と対立しますが、見事勝利をおさめます。
16歳になった実沙緒の身を案じ、実沙緒の高校の数学教師として10年ぶりに舞い戻ってきます。兄、祥のかけた術のせいで、ものの見事に自分の記憶を実沙緒の中から消されており、なかなか心を開いてくれない実沙緒を相手に、あの手この手でちょっかいをかけます。ちなみに実沙緒に対しては、『かなりおどけたエロ教師』という存在。とにかく隙あらばキスしようと迫ります。
『実沙緒を花嫁にしたい』と純粋に願う匡と、『自分を一族繁栄の道具としてしか見ていない』と疑っている実沙緒。この2人がすれ違うストーリー展開がしばらく続きます。
その後、少しずつ心を開き始めた実沙緒とついに結ばれた匡。その際、実沙緒の持つ『仙果の力』を与えられ、さらに強大なパワーを手中に入れます。そんな中、その残忍さから一族の長の座になることを拒否された兄と一騎打ちし、見事勝利をモノにします。
後半では『実沙緒のお腹に宿る子供が、実沙緒の生命力を奪う』という事実から、子供を堕ろすよう実沙緒を説得しようとします。とにかく実沙緒を守るためなら自分は死んでもいいと思っている匡。そのひたむきな愛は、まさに感動&涙です。
この物語は全体を通して『匡が実沙緒に捧げる、どこまでも一途な無償の愛』がベースになっているのですが、その純粋な愛の深さがマンガの人気に繋がっているんじゃないかと思います。
ストーリーも奇想天外ですが、骨組みがしっかりしているので、相当面白い!ファンの多さに納得できる一冊ですよ。
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